2023, size variable, 24 images, pigment print
Zine, 2023, 29.7×21, 28p, laser print
1995年東京都では阪神淡路大震災を契機に、防災都市づくり推進計画が始まり、その2年後の97年に「延焼遮断帯の形成、安全な市街地の形成、避難場所等の確保」を目標とした木造住宅密集地域整備プログラムが策定された。2012年には、東日本大震災を踏まえ、震災時に甚大な被害が想定される木造密集地域の不燃領域率を70%にすることを目標とする「木密地域不燃化10年プロジェクト」が発足し、2021年にこのプロジェクトは終了するが、防災都市づくり推進計画の整備プログラムとして2025年まで延長された。
木造密集地域は山手線外周部を中心に分布している。それらの地域を歩くと緑色のフェンスに囲まれ、アスファルトが敷かれた空間が突然住宅地の中に現れる。その中には「道路予定地」と書かれた看板が立てられている。道路予定地の中では隣の建物に障害物なく地続きに接していることが多く、フェンス越しに観察すると、よりフラットな状態でその建物の側面や裏面を眺めることになる。そこでの窓のデザインや配置は、その内部の構成や、元々が密集地域であるその地の環境が反映されたものになっていることが窺える。